摂食嚥下リハビリ|間接・直接訓練と重要手技をイラストで整理

【歯科衛生士国試】【歯科診療補助】【摂食嚥下リハビリテーション】

St

「シャキア訓練」とか「メンデルソン手技」とか、カタカナばかりで覚えられません…どっちがどっちだっけ?

Dr

丸暗記しようとするから混ざるんだよ。
どこの筋肉をどうしたいか」が分かれば、名前を見ただけで動きがイメージできるようになるよ。今日はリハビリを「解剖」で攻略しよう!

目次

まずは全体像!「間接」と「直接」の違い

摂食嚥下リハビリテーションは、大きく分けて2つのステージ

STEP
間接訓練(基礎訓練)
  • 食べ物を使わない訓練。
  • 誤嚥のリスクが低い。
  • 食べるための「筋トレ」や「マッサージ」の段階。
STEP
直接訓練(摂食訓練)
  • 実際に食べ物を使って食べる訓練。
  • 誤嚥のリスクがあるため、医師や歯科医師の管理下で行う。
  • 食事形態(とろみなど)や姿勢を調整する。
  • 最初はゼリーからの開始が多い

まずは「間接訓練」で基礎体力をつけて、「直接訓練」へ移行します。いきなり食べさせたらダメ!

Dr

水分にとろみをつけるのは、流速を遅くして咽頭への送り込みをコントロールして誤嚥を防ぐためです

「間接訓練」の3大手技をマスター

Dr

ここが一番試験に出ます。カタカナ用語を「目的」とセットで覚えましょう。

シャキア訓練(Shaker exercise / 頭部挙上訓練)

仰向けに寝て、肩を床につけたまま「つま先を見るように頭だけを持ち上げる」筋トレです。

  • ターゲット: 舌骨上筋群(オトガイ舌骨筋など)
  • 目的: 喉頭(喉仏)を持ち上げる力を強くする → 食道入口部をガバッと開くようにする。
  • 注意点: 首に負担がかかるため、高血圧頸椎症の人には禁忌!

頭を持ち上げ続ける(持続挙上)= 等尺性収縮  上げ下げを繰り返す(反復挙上)= 等張性収縮
この2パターンを繰り返します

DH

実はこれ、かなりハードです。
「頭を上げて1分キープ×3回」+「上げ下げ30回」が基本セット。
高齢者にはキツイので、回数は調整しましょう。

2. メンデルソン手技

喉仏が一番高い位置に上がった状態で「数秒間キープ」する訓練です。

  • ターゲット: 喉頭挙上筋群
  • 目的: 喉頭(気管の入り口)を持ち上げ続けると、食道入口部の開大した状態が維持され、食べ物が通りやすくなります。
Dr

「のど仏が上がった状態でキープ」とは、ごっくんと飲み込む途中でわざと止めるイメージだよ

3. アイスマッサージ

凍らせた綿棒などで、軟口蓋、口蓋舌弓(前口蓋弓)、舌根部などを刺激する方法です。

  • 目的: 「冷たい!」という刺激で嚥下反射を誘発しやすくする。
  • ポイント: これは筋トレではなく、感覚の「スイッチ入れ」です。

なぜ「おでこ体操」で飲み込みが良くなるの?

ここからは、解剖学が得意な人だけが解ける「差がつくポイント」です。

開口訓練が「嚥下訓練のリスト」にでてくる理由
Dr

よく「おでこ体操(前額部抵抗運動)」開口訓練」が嚥下訓練に出てきますよね。「口を開ける訓練なのに、なんで飲み込みに効くの?」と思ったことはありませんか?

舌骨上筋群のはたらき

実は、「口を開ける筋肉(開口筋)」と「飲み込む筋肉(喉頭挙上筋)」は、同じ『舌骨上筋群

  1. 下顎を固定すると、舌骨(喉仏)を引き上げる(嚥下)。
  2. 舌骨を固定すると、下顎を引き下げる(開口)。

舌骨上筋群は一人二役の筋肉です
だから、手でおでこを押さえて「口が開かないように抵抗する(等尺性収縮)」と、結果的に「喉仏を持ち上げる筋肉」が鍛えられます

舌骨上筋群

  • 顎二腹筋
  • 顎舌骨筋
  • オトガイ舌骨筋
  • 茎突舌骨筋

直接訓練で覚えるべきは「姿勢」

実際に食べる時は、誤嚥を防ぐための姿勢(体位)が重要です。

  • リクライニング位: 30度〜60度くらい倒す。重力で食べ物を奥へ送り込みやすくする。
  • 頸部前屈(Chin down): 顎を引く姿勢。
    • 重要: 顎を引くと、気道の入り口が狭くなり、食道の入り口が広がるため、誤嚥しにくくなる
「上を向いて食べる(頸部後屈)」のはどう?

絶対にNGです!

Dr

顎が上がると気道がガバっと開いてしまい、誤嚥のリスクが跳ね上がります。「うがい」の姿勢飲み込みには最悪だと覚えましょう。

国試形式でチェック!

第30回 午後-33

 嚥下訓練を行うのはどれか。2つ選べ。

a. 管理栄養士

b. 言語聴覚士

c. 作業療法士

d. 歯科衛生士

解答を見る

b.d

第23回 午前-89

 摂食・嚥下障害の間接訓練はどれか。2つ選べ。

a. 冷圧刺激法

b. 複数回嚥下

c. 液体摂取訓練

d. ガムラビング

解答を見る

a.d

まとめ

Dr

摂食嚥下リハビリは、「食べ物を使うかどうか」と「どこの筋肉・反射を狙っているか」で整理すれば怖くありません。

特に舌骨上筋群の役割(開口筋であり、嚥下筋でもある)を理解していると、応用問題にも強くなりますよ!

舌骨上筋群は暗記必須!
顎二腹筋顎舌骨筋オトガイ舌骨筋茎突舌骨筋

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DH

摂食嚥下のリハビリがそもそもどんな時に必要なのか、口腔機能低下症についても確認しておこう

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この記事を書いた人

歯科医師 / 国試予備校講師
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