【歯科医師国家試験】【人体の構造と機能】【生理学】
St内分泌疾患って苦手…バセドウ病と橋本病、どっちがどっちだっけ?



どちらも甲状腺疾患だね、きょうは甲状腺の復習をしよう
甲状腺の基礎知識





甲状腺は甲状軟骨(喉仏)のすぐ下にある、蝶のような形をした臓器です
- 甲状腺ホルモン(T3、T4):全身の新陳代謝を活発にする
- カルシトニン:血液中のカルシウム濃度を下げる(骨にカルシウムを蓄える)



甲状腺ホルモンは、甲状腺が勝手に作っているわけではありません。脳にある「司令塔」からの命令を受けて分泌されます
脳の視床下部から、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌される
視床下部からの命令を受けた下垂体前葉から、TSH(甲状腺刺激ホルモン)が分泌される
TSHの刺激を受けた甲状腺が、甲状腺ホルモン(T3・T4)を血液中に分泌します
血液に乗って全身に運ばれた甲状腺ホルモンが、細胞の代謝を促進し、体温を上げたり心臓を動かしたりします



この逆方向の調整を『負のフィードバック』と呼びます



甲状腺ホルモンをつくるには、材料としてヨウ素(ヨード)が必要
バセドウ病 vs 橋本病
| バセドウ病(亢進症) | 橋本病(低下症) | |
|---|---|---|
| 原因 | 自己免疫(TSH受容体抗体) | 自己免疫(慢性甲状腺炎など) |
| 代謝 | 異常に亢進 | 低下 |
| 眼球 | 眼球突出 | なし |
| 心拍 | 頻脈・動悸 | 徐脈 |
| 体温・汗 | 暑がり・多汗 | 寒がり・皮膚の乾燥 |
| 体重 | 減少(食べてるのに痩せる) | 増加(むくみ) |
| 精神 | イライラ・不眠 | 無気力・眠気 |




・バセドウ病:甲状腺ホルモン↑(高い)なのに、TSH↓(低い)
・橋本病 :甲状腺ホルモン↓(低い)なのに、TSH↑(高い)



「原因(甲状腺)」と「命令(脳)」が逆の動きをすることを覚えておきましょう!
歯科診療の注意点
アドレナリンの使用制限
- 未治療の甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の患者さんに、アドレナリン含有の局所麻酔薬は原則禁忌(または慎重投与)です
- 理由:アドレナリンが心臓への刺激を強め、甲状腺クリーゼを誘発する恐れがあるため
口腔内の特徴
- 橋本病(低下症)では、舌の肥大(巨舌)が見られることがあります
ストレスの軽減
精神的・身体的ストレスが症状を悪化させるため、声掛けや丁寧な対応が重要です
国試形式でチェック!
第34回 午前-36
甲状腺機能亢進症患者にみられるのはどれか。2つ選べ。
a.喘鳴
b.多尿
c.動悸
d.眼球突出
解答を見る
c.d
第22回 午後-5
カルシトニンで正しいのはどれか。
a.甲状腺から分泌される。
b.破骨細胞数を増加させる。
c.ステロイドホルモンである。
d.血中カルシウム濃度を上昇させる。
解答を見る
a
まとめ
甲状腺機能亢進症で見られるのはどっち?
A:徐脈
B:眼球突出
B(眼球突出)
→亢進症(バセドウ病)は「燃え盛っている状態」なので、脈は速くなり(頻脈)、目は飛び出します
1. 甲状腺ホルモンは「代謝のスイッチ」
2. バセドウ病(亢進症)=暑がり・痩せる・頻脈(動悸)・眼球突出
3. 橋本病(低下症)=寒がり・むくむ・徐脈・巨舌
4. バセドウ病患者へのアドレナリン(局麻)は要注意!


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